はじめに
前回、GitHubからセキュリティアラートが届いたらすぐにGemのアップデートを行おうという記事を書きました。
しかし、Gemをアップデートしようとbundle update
を実行したのに、Gemがアップデートされないという場合があります。
今回はGemがアップデートされない原因を記述したいと思います。
Gemの依存関係が原因
Gemの依存関係とは?
Gemはそれ単体で動いているということは少なく、多かれ少なかれ別のGemと依存関係を持っていることが多いです。しかも依存関係にはバージョン指定されているのが普通です。
例えば、以下のようなGemとその依存関係があるとします。
GemA v1.0.0
はGemB v1.0.0
に依存関係を持つGemA v2.0.0
はGemB v2.0.0
に依存関係を持つ
現在インストールされているGemAは1.0.0とします。
このとき、以下のコマンドを実行してGemAのアップデートを行ったとします。
$ bundle update GemA
結果は、GemAのアップデートは行われず、1.0.0のままです。なぜならGemAが依存関係を持つGemBは1.0.0のままだからです。
BundlerはアップデートしようとしているGemの依存関係を調べ、依存関係を保つ(壊さない)ようにアップデートを行います。GemAを2.0.0にしてしまうと、GemBは1.0.0のままのため依存関係が壊れてしまうのです。
アップデートする方法
GemAをアップデートするには、同時にGemBのアップデートも行えばOKです。以下のように複数のGemの名称を指定します。
$ bundle update GemB GemA
ちなみに、すべてのGemを一気にアップデートする方法でもOKです。
$ bundle update
依存関係を調べる
Gemの依存関係を調べるには以下のコマンドを実行します。
$ gem dependency -R <Gemの名称>
個別にアップデートする場合は依存関係を調べてアップデート方針を決めていくことになるでしょう。
Gemfileのバージョン指定が原因
Gemfileのバージョン指定
Gemの設計図となるのがGemfileです。GemfileはインストールするGemのバージョンを指定することができます。
# バージョン指定なし
gem "GemA"
# バージョン指定あり
gem "GemA", "1.0.0"
# バージョン指定あり
# 1.0.0以上の最新バージョン
gem "GemA", ">= 1.0.0"
# バージョン指定あり
# 1.0.0以上1.1.0未満の最新バージョン
gem "GemA", "~> 1.0.0"
詳しくは以下の記事をご覧ください。
Gemfileでバージョン指定している場合、bundle update
を行っても指定したバージョン以上にはアップデートされません。
アップデートする方法
Gemfileのバージョン指定を書き換えてからbundle update
を行います。