【Rails】RSpecを使った自動テスト《リクエストスペック編》

はじめに

Railsでアプリケーションを開発する際、品質を担保するためにテストは欠かせません。その中でも、RSpecは多くの開発者に愛用されているテストフレームワークです。

今回は、RSpecを使ったRailsアプリケーションのテスト方法について、実践的な視点から解説していきます。

リクエストスペック

APIのテスト

特定のAPIエンドポイントに対するリクエストが正しく処理され、適切なレスポンスやステータスコードが返されるかを確認します。

まず、簡単なAPIコントローラーを定義します。例えば、UsersControllerを例にします。

app/controllers/api/v1/users_controller.rb

module Api
  module V1
    class UsersController < ApplicationController
      def index
        @users = User.all
        render json: @users
      end

      def show
        @user = User.find(params[:id])
        render json: @user
      end

      def create
        @user = User.new(user_params)
        if @user.save
          render json: @user, status: :created
        else
          render json: @user.errors, status: :unprocessable_entity
        end
      end

      def update
        @user = User.find(params[:id])
        if @user.update(user_params)
          render json: @user
        else
          render json: @user.errors, status: :unprocessable_entity
        end
      end

      def destroy
        @user = User.find(params[:id])
        @user.destroy
        head :no_content
      end

      private

      def user_params
        params.require(:user).permit(:name, :email, :password)
      end
    end
  end
end

次に、RSpecを使用してこのAPIコントローラーの各アクションをテストします。

spec/requests/api/v1/users_spec.rb

require 'rails_helper'

RSpec.describe "Api::V1::Users", type: :request do
  let(:valid_attributes) { { name: 'Alice', email: 'alice@example.com', password: 'password' } }
  let(:invalid_attributes) { { name: nil, email: 'alice@example.com', password: 'password' } }
  let!(:user) { User.create!(valid_attributes) }

  describe "GET /index" do
    it "returns a success response" do
      get api_v1_users_path
      expect(response).to be_successful
      expect(JSON.parse(response.body)).to be_an_instance_of(Array)
    end
  end

  describe "GET /show" do
    it "returns a success response" do
      get api_v1_user_path(user)
      expect(response).to be_successful
      expect(JSON.parse(response.body)["id"]).to eq(user.id)
    end
  end

  describe "POST /create" do
    context "with valid parameters" do
      it "creates a new User" do
        expect {
          post api_v1_users_path, params: { user: valid_attributes }
        }.to change(User, :count).by(1)

        expect(response).to have_http_status(:created)
        expect(JSON.parse(response.body)["name"]).to eq('Alice')
      end
    end

    context "with invalid parameters" do
      it "does not create a new User" do
        expect {
          post api_v1_users_path, params: { user: invalid_attributes }
        }.not_to change(User, :count)

        expect(response).to have_http_status(:unprocessable_entity)
        expect(JSON.parse(response.body)).to have_key("name")
      end
    end
  end

  describe "PUT /update" do
    context "with valid parameters" do
      let(:new_attributes) { { name: 'Bob' } }

      it "updates the requested user" do
        put api_v1_user_path(user), params: { user: new_attributes }
        user.reload
        expect(user.name).to eq('Bob')
        expect(response).to be_successful
      end
    end

    context "with invalid parameters" do
      it "does not update the user" do
        put api_v1_user_path(user), params: { user: invalid_attributes }
        expect(response).to have_http_status(:unprocessable_entity)
      end
    end
  end

  describe "DELETE /destroy" do
    it "destroys the requested user" do
      expect {
        delete api_v1_user_path(user)
      }.to change(User, :count).by(-1)

      expect(response).to have_http_status(:no_content)
    end
  end
end
  1. GET /index
    • get api_v1_users_pathを実行し、レスポンスが成功(200 OK)であることを確認します。
    • レスポンスボディが配列であることを確認します。
  2. GET /show
    • get api_v1_user_path(user)を実行し、レスポンスが成功(200 OK)であることを確認します。
    • レスポンスボディに含まれるユーザーIDが正しいことを確認します。
  3. POST /create
    1. 有効なパラメータの場合 (with valid parameters)
      • 新しいユーザーが作成されることを確認します。
      • 作成後、レスポンスがcreated (201)ステータスを持つことを確認します。
      • レスポンスボディに含まれるユーザーの名前が正しいことを確認します。
    2. 無効なパラメータの場合 (with invalid parameters)
      • 新しいユーザーが作成されないことを確認します。
      • レスポンスがunprocessable_entity (422)ステータスを持つことを確認します。
      • レスポンスボディにエラーメッセージが含まれていることを確認します。
  4. PUT /update
    1. 有効なパラメータの場合 (with valid parameters)
      • ユーザーが正しく更新されることを確認します。
      • 更新後、レスポンスが成功(200 OK)であることを確認します。
    2. 無効なパラメータの場合 (with invalid parameters)
      • ユーザーが更新されないことを確認します。
      • レスポンスがunprocessable_entity (422)ステータスを持つことを確認します。
  5. DELETE /destroy
    • delete api_v1_user_path(user)を実行し、該当するユーザーが削除されることを確認します。
    • 削除後、レスポンスがno_content (204)ステータスを持つことを確認します。

認証・認可のテスト

有効なトークン、無効なトークン、トークンなしのリクエストが適切に処理されるかを確認します。

まず、認証と認可が必要な簡単なAPIコントローラーを定義します。ここでは、トークンベースの認証を例にします。

app/controllers/api/v1/secure_users_controller.rb

module Api
  module V1
    class SecureUsersController < ApplicationController
      before_action :authenticate_user

      def index
        @users = User.all
        render json: @users
      end

      private

      def authenticate_user
        token = request.headers['Authorization']
        render json: { error: 'Unauthorized' }, status: :unauthorized unless token == 'valid_token'
      end
    end
  end
end

このコントローラーでは、before_actionフィルターを使用して、リクエストの認証トークンを検証しています。トークンが無効な場合、認証に失敗し、401 Unauthorizedレスポンスが返されます。

次に、RSpecを使用してこのAPIコントローラーの認証と認可をテストします。

spec/requests/api/v1/secure_users_spec.rb

require 'rails_helper'

RSpec.describe "Api::V1::SecureUsers", type: :request do
  let(:valid_token) { 'valid_token' }
  let(:invalid_token) { 'invalid_token' }
  let(:headers) { { 'Authorization' => valid_token } }
  let(:invalid_headers) { { 'Authorization' => invalid_token } }
  let!(:user) { User.create!(name: 'Alice', email: 'alice@example.com', password: 'password') }

  describe "GET /index" do
    context "with valid token" do
      it "returns a success response" do
        get api_v1_secure_users_path, headers: headers
        expect(response).to be_successful
        expect(JSON.parse(response.body)).to be_an_instance_of(Array)
      end
    end

    context "with invalid token" do
      it "returns an unauthorized response" do
        get api_v1_secure_users_path, headers: invalid_headers
        expect(response).to have_http_status(:unauthorized)
        expect(JSON.parse(response.body)).to eq({ "error" => "Unauthorized" })
      end
    end

    context "without token" do
      it "returns an unauthorized response" do
        get api_v1_secure_users_path
        expect(response).to have_http_status(:unauthorized)
        expect(JSON.parse(response.body)).to eq({ "error" => "Unauthorized" })
      end
    end
  end
end
  1. GET /index
    1. 有効なトークンの場合 (with valid token)
      • 有効なトークンをヘッダーに含めてリクエストを送信します。
      • レスポンスが成功(200 OK)であることを確認します。
      • レスポンスボディが配列であることを確認します。
    2. 無効なトークンの場合 (with invalid token)
      • 無効なトークンをヘッダーに含めてリクエストを送信します。
      • レスポンスが401 Unauthorizedであることを確認します。
      • レスポンスボディにエラーメッセージが含まれていることを確認します。
    3. トークンがない場合 (without token)
      • トークンをヘッダーに含めずにリクエストを送信します。
      • レスポンスが401 Unauthorizedであることを確認します。
      • レスポンスボディにエラーメッセージが含まれていることを確認します。

まとめ

RSpecを使いこなすことで、Railsアプリケーションの品質を大幅に向上させることができます。ただし、テストの書きすぎには注意が必要です。重要な機能や複雑なロジックに焦点を当て、バランスの取れたテスト戦略を立てることが大切です。

また、CIツールと組み合わせることで、継続的にテストを実行し、問題を早期に発見することができます。例えば、GitHubActionsを使えば、プッシュやプルリクエスト時に自動的にテストを実行できます。

Railsアプリケーション開発において、RSpecは強力な味方となります。ぜひ、日々の開発に取り入れて、より堅牢なアプリケーション作りを目指してください。

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